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【借入金】借金より怖い「現金不足」~本当に必要なお金はいくらですか?~

社長のCFO・経営改善

借金に困る社長

~あなたの会社に、本当に必要なお金はいくらですか?~

「借金は、できるだけ少ない方がいい。」

経営者の方とお話をしていると、この言葉を耳にする機会がよくあります。

確かに、その考え方は間違いではありません。借入には返済が伴い、利息も発生します。借り過ぎれば資金繰りを圧迫し、会社の自由度を奪うことにもなります。

一方で、「借金は怖いものだから、できる限り借りない」という考え方も、本当に正しいのでしょうか。

もし、その判断が原因で設備投資のタイミングを逃したとしたら。

優秀な人材を採用する機会を失ったとしたら。

あるいは、突然訪れた危機に対応できず、大切な会社を守れなかったとしたら。

借金は確かに怖いものです。

しかし、会社経営において本当に怖いのは、借金そのものではありません。

会社から現金がなくなることです。

会社は利益ではなく、現金で生きています。

借金は悪いものなのでしょうか

「無借金経営」という言葉には、不思議と安心感があります。

借金がなければ返済に追われることもなく、利息も支払わなくて済みます。「健全な会社」というイメージを持つ方も多いでしょう。

もちろん、それは一つの理想です。

しかし、現実の経営はそれほど単純ではありません。

私たちは個人の生活では、住宅を購入するときに住宅ローンを利用します。車を買うときにローンを組むこともあります。子どもの教育費のために教育ローンを利用する家庭もあります。

それは、「借金がしたい」のではなく、「将来のために今必要な投資だから」です。

会社も同じです。

  • ・新しい設備を導入する。
  • ・新店舗を出店する。
  • ・優秀な人材を採用する。
  • ・ホームページを刷新する。
  • ・営業活動を強化する。

こうした投資は、会社の未来をつくるためのものです。

そのために銀行から資金を借りることは、決して悪いことではありません。

むしろ銀行は、「返済できる会社」にしか融資をしません。

つまり、銀行から借りられるということは、金融機関から一定の信用を得ている証でもあります。

問題なのは借金ではありません。

借金の目的です。

✅将来の利益につながる投資なのか。

✅会社を強くするための資金なのか。

✅それとも、赤字を埋めるためだけの借入なのか。

✅同じ借入でも、その意味は大きく違います。

借金をしないことが、会社の成長を止めることもある

「借金はしたくない。」

そう考える経営者は少なくありません。

しかし、その考え方が強すぎることで、会社の未来を自ら狭めてしまっているケースもあります。

例えば、長年使っている機械があります。

最新設備に更新すれば、生産性は大幅に向上し、作業時間も短縮されます。品質も安定し、人手不足の解消にもつながるかもしれません。

しかし、「借金を増やしたくない」という理由で設備投資を見送ったとします。

その年は借入も増えず、預金も減りません。

一見すると堅実な経営に見えます。

ところが数年後、競合他社は最新設備を導入し、生産性を高め、価格競争力も向上させています。

一方、自社は古い設備を使い続け、修理費は増え、納期でも競争力を失い、利益率も下がっていく。

この差は、「借金をしたかどうか」ではありません。

未来への投資をしたかどうかです。

採用でも同じことが言えます。

「今は資金に余裕がないから、採用は来年にしよう。」

その結果、人手不足が続き、受注を断らざるを得なくなる。

営業担当者が不足し、新しいお客様との出会いを逃してしまう。

ホームページをリニューアルしたいと思っても、「まだ使えるから」と先送りする。

広告を出したいと思っても、「今は我慢しよう」と見送る。

こうした判断は、一つひとつは小さなことかもしれません。

しかし、その積み重ねは数年後、大きな差となって表れます。

もちろん、借りれば必ず成功するわけではありません。

だからこそ重要なのは、「借りるか借りないか」という二択ではなく、「その投資が会社の未来にどれだけの価値を生み出すのか」を考えることです。

借金は目的ではありません。

会社を成長させるための手段です。

その手段を必要以上に恐れてしまうことは、会社の可能性まで小さくしてしまうことになりかねません。

利益ではなく現金

会社は利益ではなく、現金で生きている

ここで、一つ考えてみてください。

利益が1,000万円出ている会社と、利益は300万円しか出ていない会社。

どちらが安全な会社でしょうか。

多くの人は、利益が1,000万円の会社だと思うかもしれません。

しかし、本当にそうでしょうか。

利益が1,000万円あっても、その利益がすべて売掛金だったらどうでしょう。

設備投資に多額の資金を使っていたらどうでしょう。

在庫が増え続けていたらどうでしょう。

口座の残高が100万円しかなければ、安心して経営できるとは言えません。

反対に、利益は300万円でも、十分な現金を確保し、資金繰りに余裕がある会社は、落ち着いて経営判断ができます。

新しい挑戦もできます。

突然のトラブルにも対応できます。

会社は利益で動いているように見えて、実際には現金で動いています。

毎月支払う給与も、家賃も、仕入代金も、社会保険料も、税金も、借入金の返済も、すべて現金です。

利益では支払えません。

だからこそ、利益だけを見て安心してしまうことは危険なのです。

「利益は出ているのに、お金がない。」

経営者であれば、一度はそんな感覚を経験したことがあるのではないでしょうか。

その理由は、会社のお金の流れを「利益」だけで見ているからです。

本当に見るべきなのは、「今、会社にいくら現金があり、この先いくら必要になるのか」という視点なのです。

あなたの会社には、本当にいくら必要なのでしょうか

ここまで読んでいただいた方の中には、「現金が大切なのは分かった。でも、実際にはどれくらいあれば安心なのだろう」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

この問いに対して、「3,000万円あれば安心です」「半年分の固定費があれば十分です」といった一律の答えはありません。

なぜなら、会社に必要な現金は、一社一社まったく違うからです。

例えば、毎月の支出が300万円の会社と3,000万円の会社では、必要な資金が違うことは当然です。

製造業であれば材料を仕入れるための資金が必要になりますし、建設業であれば工事代金を回収するまでの運転資金が必要になります。サービス業であれば在庫は少なくても、人件費という大きな固定費があります。

さらに、会社がどのような経営を目指しているかによっても必要な現金は変わります。

  • ・積極的に設備投資を行いたい会社。
  • ・新しい人材を採用したい会社。
  • ・店舗展開を考えている会社。
  • ・反対に、現状維持を重視する会社。

目指す未来が違えば、必要な資金も当然違ってきます。

だからこそ、「あの会社は借入が少ない」「同業他社はもっと借りている」という比較には、あまり意味がありません。

比較すべき相手は他社ではなく、自社なのです。

では、自社に必要な現金を知るためには、何を見ればよいのでしょうか。

不測の事態

不測の事態は、必ずやってきます

経営者であれば、これまで一度も想定外の出来事が起きなかったという方はいないでしょう。

  • リーマン・ショック。
  • 東日本大震災。
  • 新型コロナウイルス。
  • 急激な円安。
  • 原材料価格の高騰。
  • 人材不足。
  • 自然災害。
  • 大口取引先の倒産。

振り返れば、「まさか」と思う出来事が何度も起きています。

そして、そのたびに会社の明暗を分けたのは、「利益が出ていたかどうか」ではありませんでした。

手元に現金があったかどうか。

この違いが、経営判断に大きな差を生みました。

十分な現金がある会社は、慌てる必要がありません。

売上が一時的に減少しても、社員を守ることができます。

価格競争に巻き込まれても、無理な値下げをしなくて済みます。

必要な設備投資も続けられます。

反対に、現金に余裕がない会社は、「今月をどう乗り切るか」という短期的な判断に追われます。

本来であれば挑戦できたはずのことも、「資金がないから」という理由だけで諦めなければならなくなります。

現金は会社の体力です。

そして、経営者に冷静な判断を与えてくれる「心の余裕」でもあります。

貸借対照表は、会社の未来を映す鏡

経営者の多くは、毎月の試算表を見るとき、まず売上高と利益を確認します。

もちろん、それはとても大切なことです。

しかし、それだけでは会社の未来は見えてきません。

会社の本当の姿を知るためには、貸借対照表(BS)を見ることが欠かせません。

貸借対照表には、会社がどれだけの現金を持っているのか、借入金はいくらあるのか、資産と負債のバランスはどうなっているのか、会社の体力ともいえる情報がすべて詰まっています。

損益計算書(PL)

損益計算書(PL)は、一年間の成績表です。

どれだけ売上を上げ、どれだけ利益を残したかを教えてくれます。

貸借対照表(BS)

一方、貸借対照表(BS)は健康診断書です。

今の会社にどれだけ体力があるのかを教えてくれます。

今の会社にどれだけ体力があるのか。

もし環境が変わったときに耐えられるのか。

未来に向けた投資をする余力があるのか。

そうしたことを教えてくれます。

健康診断を受けずに「私は健康です」と言えないように、貸借対照表を見ずに「うちの会社は大丈夫」と判断することはできません。

利益を見る経営から、会社全体の体力を見る経営へ。

その視点を持つことで、経営の景色は大きく変わります。

「借りられるだけ借りる」でも、「借金はゼロ」でもない

ここまで読まれた方の中には、「では、結局借りた方がいいのか、借りない方がいいのか」と思われるかもしれません。

答えは、とてもシンプルです。

必要なお金は借りる。必要のないお金は借りない。

ただ、それだけです。

重要なのは、「銀行が貸してくれるから借りる」という考え方でも、「借金は悪だから借りない」という考え方でもありません。

経営者自身が、「自社にはどれだけの資金が必要なのか」を理解したうえで判断することです。

その判断には、利益だけではなく、貸借対照表から見える会社の体力や、将来の投資計画、資金繰りの見通しなど、さまざまな情報が必要になります。

借入は、会社を苦しめるものにもなります。

しかし、会社を守るものにもなります。

その違いを生むのは、借入金の額ではありません。

経営者が、自社の数字を理解しているかどうかです。

最後に、あなたの会社へ問いかけてみてください

最後に、一つだけ考えてみてください。

あなたは、自社の預金残高を把握しているでしょうか。

おそらく、多くの経営者はすぐに答えられると思います。

では、もう一つ質問です。

あなたの会社が、安心して経営を続けるために必要な現金はいくらでしょうか。

もし売上が三か月止まったら?設備が突然故障したら?

主要取引先からの入金が遅れたら?新しい人材を採用したくなったら?

そのとき、本当に必要な資金はいくらでしょうか。

この問いに、すぐ数字で答えられる経営者は決して多くありません。

しかし、この数字を知っている会社ほど、環境の変化に強く、新しい挑戦にも積極的です。

借金を減らしたり、増やしたりすることが目的ではありません。

本当に大切なのは、自社に必要な現金を知り、その資金を計画的に準備しておくことです。

そして、その答えは他社にはありません。

銀行にも、業界平均にもありません。

あなたの会社の貸借対照表の中にあります。

会社を経営するということは、売上や利益を追いかけることだけではありません。

会社を守り、社員を守り、お客様との約束を守り、未来への挑戦を続けるために、「必要な現金を設計すること」でもあります。

だからこそ、今日から一度、ご自身の会社に問いかけてみてください。

「私たちの会社に、本当に必要なお金はいくらなのだろう。」

その問いに向き合うことが、会社の未来をより強く、より安定したものへと変えていく第一歩になるはずです。

どれだけ売上が伸びても、利益が出ていても、支払うための現金がなければ会社は存続できません。

今回は、「借金をするべきか、しないべきか」という話ではなく、「会社を守るために必要な現金」という視点から、経営について考えてみたいと思います。

まとめ

  • 借金そのものが問題なのではなく、借入の目的と資金計画が重要です。
  • 借金を避けることが、設備投資や採用、営業活動などの成長機会を逃す原因になることもあります。
  • 会社は利益だけでなく、現金で生きています。給与、家賃、仕入、税金、返済はすべて現金で支払う必要があります。
  • 必要な現金の額は会社ごとに異なり、業種、規模、固定費、運転資金、将来の投資計画によって変わります。
  • 不測の事態に備えるためにも、手元資金は会社の体力であり、経営者の冷静な判断を支える心の余裕になります。
  • 自社に必要なお金を知るためには、損益計算書だけでなく、貸借対照表を見て会社全体の体力を把握することが欠かせません。

本当に大切なのは、自社に必要な現金を知り、その資金を計画的に準備しておくことです。

その答えは他社にも、銀行にも、業界平均にもありません。あなたの会社の貸借対照表の中にあります。売上や利益を追いかけるだけでなく、会社を守り、社員を守り、お客様との約束を守り、未来への挑戦を続けるために、今日から「私たちの会社に、本当に必要なお金はいくらなのだろう」という問いに向き合ってみてください。

自社に必要な現金を、一緒に見える化しませんか?

資金繰り、借入、貸借対照表の見方に不安がある場合は、会社の現状と未来の計画を整理することから始めてみましょう。安心して経営判断ができるよう、数字をもとに丁寧にサポートいたします。

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