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【決算書の見方】銀行が決算書で重要視するポイント

銀行が重要視するポイント

 
 

社長の皆さん、こんな経験ないですか?

決算説明の席で、銀行担当者は静かに決算書をめくります。

細かい勘定科目を一つひとつ確認するわけではありません。まずは全体を俯瞰し、いくつかのページに目を落とします。

そして、あるページで手が止まります。

 

電卓を叩き、数字をいくつか書き留める。その時間は、ほんの数十秒です。

しかし、その数十秒で、融資の“温度感”はほぼ決まっています。

 

銀行は、決算書のどこを最初に見ているのでしょうか。売上でしょうか。利益でしょうか。

実は、銀行が最初に確認しているのは、もっとシンプルな一点です。

 

それは――この会社は、無理なく返済できる構造になっているかどうか。

銀行は細かい経費よりも先に、「返済能力」を見ます。その視点で決算書を読み解くと、見られているポイントがはっきりしてきます。

 

1. まず見るのは「返済能力」

 

銀行が最初に注目するのは、利益の“額”ではありません。利益からどれだけキャッシュが生まれているかです。

具体的には、次のような指標を確認します。

 

  • ・営業利益
  • ・営業キャッシュフロー
  • ・EBITDA(営業利益+減価償却費)
  • ・債務償還年数(借入金 ÷ 年間返済余力)

 
キャッシュが大事
 

例えば、当期純利益が黒字であっても、営業キャッシュフローがマイナスであれば評価は下がります。売上が増えていても、売掛金や在庫に資金が滞留していれば、実際に返済に回せる現金は増えていないからです。

 

また、借入金残高に対して年間返済余力が小さい場合、債務償還年数は長くなります。一般的に10年を超えると慎重な見方をされることが多くなります。

銀行はこう考えています。

 

黒字かどうかではなく、継続的に返済できるかどうか。ここが第一関門です。

 

2. 次に見るのは「安定性」

返済能力と並んで重視されるのが、利益の安定性です。

銀行は単年度の数字で判断しません。過去3期、可能であれば5期の推移を見ます。

 

  • 利益率は安定しているか
  • 売上が急激に増減していないか
  • 特別利益に依存していないか
  • 特定顧客に依存していないか

 

急激な黒字化や赤字転落は、理由が説明できなければリスクと判断されます。

銀行が知りたいのは、「来期も同じように利益を出せるか」です。

一時的な補助金収入や資産売却益で利益が出ている場合、それは評価上割り引かれます。利益の“額”よりも、“質”と“継続性”が重視されます。

 

3. 意外と重視される「貸借対照表」

多くの経営者は損益計算書(P/L)を重視します。しかし銀行は貸借対照表(B/S)を丁寧に見ます。

なぜなら、B/Sには会社の財務体質が表れるからです。

 

銀行が確認する主なポイントは次のとおりです。

 

  • ・自己資本比率
  • ・純資産の推移
  • ・借入金の増減
  • ・役員貸付金の有無
  • ・在庫や売掛金の増加傾向

 

自己資本が積み上がっている会社は、内部留保が厚いと評価されます。一方で、役員貸付金が多額にある場合は、資金管理体制に疑問を持たれることがあります。

また、利益が出ているのに現金が増えていない場合、その理由を確認されます。

損益計算書は一年の成績表ですが、貸借対照表は会社の歴史の蓄積です。銀行は、P/LとB/Sの整合性を見ています。

 
ポイント
 
 

4. 銀行が慎重になる決算書

 

銀行が慎重になる決算書には、いくつかの共通点があります。

 

  • ・利益が毎年ぎりぎり
  • ・現金残高が極端に少ない
  • ・借入依存度が高い
  • ・数字の変動に説明がない

 

ただし、これらがあるから即座に評価が下がるわけではありません。

重要なのは、「説明できるかどうか」です。

設備投資による一時的な赤字であれば問題ありません。戦略的な借入であれば、前向きに評価されることもあります。
銀行はリスクを嫌いますが、合理的なリスクは受け入れます。

 

5. 銀行に評価される決算の作り方

 

銀行に評価される決算とは、利益を大きく見せる決算ではありません。

 

  • ・毎月数字を確認する
  • ・期末の着地予測を行う
  • ・返済余力を意識する
  • ・利益とキャッシュを分けて考える

 

これらを継続している会社は、数字を説明できます。

銀行が見ているのは、返済能力、安定性、財務体質という“構造”です。銀行に評価される決算は、結果として経営も安定します。

決算書は、税金計算のための書類ではありません。それは、金融機関に対する信用の証明書でもあります。

次の融資を見据えたとき、あなたの決算書は「返せる会社」と伝えられる内容になっているでしょうか。

 

「うちの決算書、銀行にどう見られている?」を一度整理しませんか?

銀行は利益の額よりも、返済能力・安定性・財務体質という“構造”を見ています。
決算前にポイントを押さえるだけで、融資の温度感が変わることがあります。

  • ✅返済余力(キャッシュ)をどう説明するか
  • ✅利益の安定性(推移)をどう見せるか
  • ✅B/Sの弱点(役員貸付金・在庫等)をどう改善するか

必要であれば、無料相談も承ります。お気軽にご相談ください。

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