コラム

Colum

New

【給付付き税額控除】税理士会の長年の建議

給付付き税額控除が実現しそう
 給付付き税額控除が、政治の表舞台で中心的話題の一つになっています。政党の枠を超えて支持が拡がっています。

 
所得税における再分配機能と構造的な課題
 所得税は累進税率を通じて高所得者に高負担を求め、税制での再分配機能を構築しています。なお、個別事項負担調整として所得控除制度がありますが、この方式は税率と連動するため、高所得者ほど減税効果が大きくなっています。そのため、最近は、高所得者への、人的控除の適用額の圧縮や否認という制度化が進行してきました。

 
税額控除への転換という発想
 一方で、そもそも所得控除制度ではなく、税額控除制度にすれば、税率の高低にかかわらず減税効果が同額となるため、所得階層による減税効果の差を小さくすることができる、との主張がありました。

 
税理士会による早期からの提言
 税理士会は、政府に提出する「税制改正建議書」の中で、こうした問題を早い時期から指摘してきました。1990年代後半以降の建議書では、人的控除の税額控除の提言を繰り返しています。さらに、低所得者に対する政策効果を確保する観点から、控除しきれない部分を給付として支払う「給付付き税額控除」という考え方にも言及しており、税率構造だけに依存しない再分配の仕組みを制度論として提示してきました。

 
年少扶養控除廃止と子ども手当
 この制度論の中で興味深いのが、年少扶養控除の廃止と子ども手当の創設に関する評価です。税理士会の建議では、この制度変更について、所得控除による支援から現金給付による支援へと政策手段が移行したものと位置付けています。

 
給付付き税額控除の意味
 給付付き税額控除では控除しきれない部分を給付として支払う仕組みを採ります。これにより、所得税をほとんど負担していない低所得層にも制度の効果を及ぼすことができ、税制を通じた再分配機能をより明確に実現できるのです。

 
消費税や社会保険との関係も
 比例税の消費税には逆進性があり、同じく比例料率の社会保険料にはさらに高所得層に負担上限(頭打ち)があります。これらは、負担力のない人への圧迫をもたらしていますが、給付付き税額控除は、制度の枠を超えた低所得者への支援措置、調整措置、再分配機能の制度化になり得ます。

 
2026年4月13日
税理士法人中京会計

一覧へ